生活の備忘録 삶의 사소한 것들

終わった旅を振り返ったり、思ったことを書きつけたりします。話題はJump to Jump、脈絡なき備忘録だけどいいの!仕事じゃないんだから!!感性のストレッチなんだから!!!

思い出し旅3

去年のゴールデンウイークは、10連休だったので、大学来の友人と、もう何度目か分からない韓国旅行をした。

私と友人は、学生時代、提携している釜山の大学に留学していた同志でもある。といっても、タイミングは1年違いで、それぞれ違う時を過ごした。私は大学3回生のとき、彼女は4回生のとき。大学の専攻柄、英語圏への留学を選ぶ学生が多い中、私たちの選択はあまり戦略的ではなかったかもしれない。事実、韓国語のスキルを就職に活かせたか、今の業務に活かせているか、と言われると微妙なところ。英語や中国語じゃないマイナー言語を習得した人は、少なからず似たような感想を持つんじゃんなかろうか。

私は高校の終わりから、彼女は大学に入ってから、韓国のポップスに興味を持ち始めた。韓国ポップスから韓国ドラマ、韓国映画へ趣味の触手は派生し、深度は増しまして行った。やがて、「韓国の人々は実際どのような暮らしをして、どんなカルチャーを持っているの?この目で確かめたい」という情熱を持つようになる。自分のそのときの感覚は正しかったと今になって改めて思うが、日本のテレビが伝える韓国の姿はどうも違うような気がした。

元々外向きでもないし、留学なんて外交的でタフで有能で経済的余裕がある人が行くものだと思っていた私は、優柔不断に悩みつつも、この情熱のおかげで留学にこぎつけることができた。

恥ずかしながら釜山に渡航するまで韓国語をろくに話せなかったため、今はもう休刊してしまって久しいアルクの「韓国語ジャーナル」を大学図書館で借りては(学生には値が張った)、渡航直前に付け焼刃の勉強をし、(自分で決めたのに)来るべき釜山での1年に戦々恐々としていたのを覚えている。

関西の大学に通っていたため、いったん下宿の家財道具を九州の実家に引き払い、博多港から高速船(!)で釜山へ渡航。高速船の中でも、往生際悪く「韓国語ジャーナル」を握りしめ、なぜか秦基博のアイを聴いて心を鎮めていた。

部活もサークルもやり遂げた経験がない私にとって、身一つで釜山に飛び込んで、恥ずかしい思いや情けない思いをしながらも、多くの人に助けられ、韓国だけでなく台湾や香港の友人を得、韓国語を習得し、講義を受け、単位を修得してひとまず留学やり遂げられたことは、かなり人生の糧になったと思う。

そういう経緯もあり、私と友人は自身の青春の記憶もあいまって韓国に並々ならぬ思い入れがある。大人になってからも、共通の友人の結婚式が釜山であったり、用もなくソウルに行ったりする仲なのだ。

去年の10連休は、思い切って5日ほどソウルに滞在した。ホンデのあたりに安いゲストハウスを取り、ぶらついたりミニライブに行ったりして過ごした。

ホンデは、弘益大学(弘大:ホンデ)という名門芸大のことで、感度の高いショップやカフェが立ち並んでいるエリアは、歩き回るだけでも楽しい。所謂”대학가”学生街なのだけど、大学生だけでなく、高校生や大人たちも遊びにくる、エネルギッシュで活気ある場所だ。道端でパフォーマンスする若者もいて、クリエイティビティに溢れている。

夜も屋台や小さな占い屋が密集した深夜まで賑わっているし、その傍らには若者に人気のクラブがあったりする。メインの賑やかな通りは参道のようにホンデの正門に伸びているが、少し通りをずれると、ひっそりとライブハウスが出現したりする。

弘大に正門から東へしばらく行き、地下鉄駅の方へ下る。午前中に通れば呆けたような雰囲気のその通りは、落日とともに生気が宿る。一見ブックカフェのように見えるお店の地下にライブ会場があったりもする。まるで闇酒場のようで、えも言われぬ興奮を覚える。

まさに「地下空間(アンダーグラウンド)」なのだった。

 

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ホンデのカフェ。地下へ向かう階段を降りると、小さなライブ空間がある。